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齋藤優介 齋藤優介
2021.05.16
メタルエステ

株式会社エステーリンク

燕の描く未来をエステーリンクに感じえた

日本有数の金属加工集積地の燕にとって株式会社エステーリンクの取り組む事業は、新たな可能性であり、未来の燕の姿だと思われる。
エステーリンクは、クライアント企業からの受託部品の加工のみにとどまらず、自らの手で装置設計を行い、製造。販売へとその領域を広げる。

「私たちが、欲しい製品だったからこそ、同業である金属加工産業に携わる方々から喜ばれています。」と代表取締役 斎藤貴範は爽やかな笑顔で応える。

その中の一つ「メタルエステ」は、地場の産業界にとって「欲しかった製品」の一つである。

メタルエステは、レーザーカット加工装置で切り抜いた金属製品のバリを自動で研磨してくれる機械装置である。
エステーリンクは新潟県においても、非常に早い段階でレーザーカット装置を導入した。ただ、機械の仕様上、どうしても加工製品にバリが出てしまう。そのバリを人の手で一つ一つグラインダーで削っていくのだ。

「バリが出たら人の手で削る」現場にとって当たり前の作業であったが、想像以上に危険な加工だった。一歩間違えば作業者が大怪我をするかもしれない。

「効率だけでなく、作業する人の安全を第一に考え、その装置を開発しました。」

自社の作業者の安全を優先する装置は、燕の産地の同業者に求められるようになった。ファクタリムの取材で、様々な会社を訪れると、あらゆる場所でメタルエステが使われていた。皆一様に「助かっている」と口にする。

燕はBtoBによる部品加工業が多い。受託事業なだけに部品加工に対する技術は高くなってきた。だが、このように、自ら部品を作り、装置·機械が組み上げられないのだ。
メタルエステ
エステーリンクのメタルエステの開発は、これからの燕の目指す未来の方向の一つとして示唆される姿の一つだ。燕の企業が、それぞれの技術精度で部品を加工し、組み上げ、装置機械を作り上げることができる未来を想像する。
エステーリンクの取り組みから、燕の未来の伸び代を充分に認識させてくれる。
 
株式会社エステーリンク→https://www.st-link.co.jp